運行管理者試験とは?令和8年度の日程・受験資格・合格基準・合格率まとめ(貨物/旅客)
運行管理者試験は貨物と旅客の2種類があり、それぞれ年2回、CBT(パソコン受験)方式で実施されます。全30問・90分という小さな試験ですが、合格率は3〜4割ほど。落ちる人の多くは「18問取れなかった」のではなく、分野ごとに決められた最低正解数(足切り)に引っかかります。このページでは、令和8年度の日程・受験資格・費用・出題の内訳・合格基準・直近の合格率・合格後の手続きまでを、運行管理者試験センターの公式発表と法令の条文から整理しました。
最終更新:2026年7月28日
0このページの内容
1運行管理者とは――「何両に1人」まで法令で決まっている
運行管理者は、トラック・バス・タクシーなどの事業用自動車(緑ナンバー)の運行の安全を確保する責任者です。運転者の点呼、乗務割の作成、休憩・睡眠施設の管理、運転者の指導監督などを担います。
この資格が安定して求められるのは、「営業所ごとに何人置かなければならないか」が省令で具体的に決まっているからです。貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第1項は、こう定めています。
ただし書きで、5両未満の事業用自動車を管理する営業所のうち、地方運輸局長が安全確保に支障がないと認めるものは除かれます。
つまり貨物では、車両30両までなら1人、30〜59両で2人、60〜89両で3人……と、車両が増えるほど必要人数が増えます。さらに、1つの営業所で複数の運行管理者を選任する場合は、それらを束ねる統括運行管理者を必ず置かなければなりません(同条第2項)。
旅客は「事業の種別」で人数の基準が変わります
旅客自動車運送事業運輸規則 第47条の9 は、事業の種別ごとに別々の基準を定めています。貸切バスだけが特に厳しいのが特徴です。
| 事業の種別 | 選任が必要な営業所 | 選任すべき運行管理者の数 |
|---|---|---|
| 一般乗合 (路線バス) | 乗車定員11人以上の車を管理する営業所、および定員10人以下の車5両以上を管理する営業所 | 車両数÷40(端数切捨て)+1 |
| 一般貸切 (貸切バス) | 事業用自動車 19両以下 | 2人(ただし4両以下で地方運輸局長が支障なしと認める場合は1人) |
| 事業用自動車 20両以上99両以下 | 車両数÷20(端数切捨て)+1 | |
| 事業用自動車 100両以上 | (車両数−100)÷30(端数切捨て)+6 | |
| 一般乗用 (タクシー) | 事業用自動車5両以上を管理する営業所 | 車両数÷40(端数切捨て)+1 |
| 特定旅客 | 乗車定員11人以上の車を管理する営業所、および定員10人以下の車5両以上を管理する営業所 | 車両数÷40(端数切捨て)+1 |
出典:e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」第18条/同「旅客自動車運送事業運輸規則」第47条の9(いずれも条文本文を e-Gov 法令API から取得して確認)
2令和8年度の日程――第1回はもう申請が締め切られています
運行管理者試験は年2回(8月頃と3月頃)、それぞれ1か月程度の期間で実施されます。CBT方式なので「試験日」は1日ではなく、期間内から自分で会場と日時を予約する形です。
令和8年度 第1回運行管理者試験(貨物・旅客共通)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 試験期間(CBT) | 令和8年8月8日(土)〜9月6日(日) 試験時間 90分 |
| 申請受付期間 | 令和8年6月15日(月)〜7月15日(水) ※新規・再受験とも同じ |
| 提出書類・実務経験承認の締切 | 令和8年7月29日(水) |
| 会場予約の締切 | 令和8年8月7日(金) |
| 結果発表 | 令和8年9月24日(木) |
- すでに申請した方:本人確認書類・顔写真のアップロードや、実務経験承認者からの承認は7月29日(水)が締切です。書類や承認がそろわないと申請は無効になります。会場予約の締切は8月7日(金)。
- これから受けたい方:次は第2回(例年3月頃の試験・申請は12月頃)になります。第2回の詳細は11月頃に公式サイトで発表される予定です。基礎講習で受験資格を取る場合は、この待ち時間が講習を受けるチャンスです。
CBTは期間内なら平日でも受けられるのが利点ですが、会場の座席には限りがあり、一部の試験地には定員が設けられています。予約は早いほど希望日を取りやすくなります。試験地は47都道府県に設けられています。
出典:運行管理者試験センター「新規受験概要」(日程は同センターが公開している試験情報データ examinfo.json の令和8年度第1回の値を直接確認)/同センター トップページ「受験案内」
3受験資格――実務経験1年以上か、基礎講習の修了か
運行管理者試験は、次のどちらか一方を満たしていれば受験できます。学歴・年齢の要件はありません。
- ① 実務経験1年以上:試験日の前日までに、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)の事業用自動車、または特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑ナンバー)の運行管理に関する実務経験が1年以上ある方。
- ② 基礎講習の修了(または修了予定):国土交通大臣が認定する講習実施機関で、平成7年(1995年)4月1日以降に、受ける試験の種類に応じた基礎講習を修了した方、または指定の期日までに修了予定の方。
・②は「講習の種類」と「試験の種類」が同じでなければなりません。旅客の試験を受けるなら旅客の基礎講習です。貨物の基礎講習で旅客の試験は受けられません。
・①は自己申告では足りません。実務経験承認者(氏名・勤務先名・役職名・電話番号・メールアドレス)のメールによる承認が必要で、締切までに承認がそろわないと申請は無効になります。勤務先への依頼は早めに。
なお、実務経験がなく講習も受けていない方は、まず基礎講習を受けるのが最短ルートです。講習を行っている機関は国土交通省が一覧を公開しています。
4費用――6,000円だけでは受けられません
「受験料6,000円」とだけ覚えていると、支払い時に金額が違って戸惑います。CBTのシステム利用料が別途かかるためです。
| 費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 受験手数料 | 6,000円 | 非課税 |
| システム利用料 | 660円 | 税込・必須 |
| 試験結果レポート | 140円 | 税込・希望者のみ |
| 事務手数料 | 200円 | 税込・再受験申請の場合のみ |
新規受験なら最低 6,660円(レポート希望なら6,800円)です。支払いはクレジットカード・コンビニ・ペイジーから選べます。納付した受験手数料等は理由を問わず返還されず、次回試験への充当もできません。
2回目以降は「再受験申請」が使えます
令和8年度第1回の場合、令和4年度以降に受験したことがある方(欠席した方を含む)で、同じ試験種類を受け、氏名に変更がない方は再受験申請の対象です。必要書類が顔写真だけになり、本人確認書類や実務経験の承認を出し直す必要がありません。そのかわり事務手数料200円が加わります。対象となる年度は回ごとに更新されるため、申請前に公式サイトでご確認ください。
5出題は全30問――分野別の内訳(貨物/旅客)
出題数は貨物・旅客とも30問、四肢択一、試験時間90分。違うのは第1分野だけで、貨物は「貨物自動車運送事業法関係」、旅客は「道路運送法関係」です。第2分野以降の構成と問題数は共通です。
| 分野 | 貨物試験 | 旅客試験 | 出題数 |
|---|---|---|---|
| (1) | 貨物自動車運送事業法関係 | 道路運送法関係 | 8問 |
| (2) | 道路運送車両法関係 | 4問 | |
| (3) | 道路交通法関係 | 5問 | |
| (4) | 労働基準法関係 | 6問 | |
| (5) | その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 | 7問 | |
| 合計 | 30問 | ||
6合格基準――18問取っても落ちる「足切り」
合格基準は貨物・旅客で同一です。次の①②を両方満たす必要があります。
- ① 総得点が満点の60%以上=30問中18問以上の正解
- ② 分野ごとの最低正解数=(1)〜(4)の各分野で正解1問以上、(5)「実務上の知識及び能力」だけは正解2問以上
この②が、運行管理者試験でいちばん多い落とし穴です。総得点で20問正解していても、たとえば道路運送車両法(4問)を1問も取れなければ不合格になります。(5)だけ2問以上と重く設定されている点にも注意してください。実務上の知識は、点呼・事故報告・運転者の健康管理・計算問題(速度・距離・時間、拘束時間)など、暗記だけでは取りにくい分野です。
7合格率――直近は貨物38.9%・旅客38.3%
運行管理者試験センターが公表している最新の実施状況(令和7年度第2回、47都道府県)は次のとおりです。
| 試験の種類 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 貨物 | 21,577人 | 8,397人 | 38.9% |
| 旅客 | 6,679人 | 2,556人 | 38.3% |
合格率は回によって上下し、3割を切る回もあります。受験者数は貨物が旅客の3倍以上で、トラック運送業界の需要の大きさがそのまま表れています。合格率が3〜4割というのは、2人に1人以上が落ちるということです。「30問しかないから」と侮ると届きません。
出典:運行管理者試験センター「結果発表・実施状況」(同ページが読み込む実施状況データ results_status.json の値を直接確認。合格者数÷受験者数が掲載の合格率と一致することを検算しています)
8合格後の手続き――3か月を過ぎると合格が無効になります
意外と知られていませんが、試験に合格しただけでは運行管理者にはなれません。運行管理者資格者証の交付申請が必要で、しかも期限があります。
令和8年度第1回の場合、結果発表は9月24日(木)ですから、期限はおおむね12月下旬です。合格発表からしばらく間が空くので、忘れないよう予定に入れておいてください。
9何から勉強すればいい?
この試験は範囲が広くない代わりに、数字と例外で差がつきます。押さえる順序としては次が効率的です。
- 選任・点呼・記録の数字を固める(30両/40両、点呼の記録保存1年、運行記録計の対象など)。ここは覚えれば必ず取れます。
- 改善基準告示(労働基準法関係6問)を早めに片づける。拘束時間・休息期間・連続運転時間の上限は毎回出ます。
- (5)実務上の知識(7問・足切り2問)を計算問題ごと練習する。速度・距離・時間、車間距離、事故報告の要否など。
- 最後に本番形式(30問90分)で通し、分野別の取りこぼしを確認する。総得点ではなく分野ごとの正解数を見るのが重要です。
★対策アプリ「運行管理者ウカール」
この試験のために作った、スマホで使える学習アプリです。インストール不要(ブラウザで開くだけ)。貨物・旅客の切替に対応しています。
- 900問の演習問題(全問に解説と一次資料の出典つき)
- 本番形式の模擬試験(30問・90分・分野別の足切りまで再現して合否判定)
- 忘却曲線にもとづく復習、弱点分野の優先出題、間違いノート
- 数字ドリル・暗記カード・対比表・用語辞典・要点まとめ
- 合格予測メーター(科目別バーで足切りの危険を表示)・学習時間の可視化
- 広告なしで使える買い切り(各分野の先頭10問と模試1回は無料)
+このページの出典
- 公益財団法人 運行管理者試験センター(指定試験機関。年2回・CBT・受験案内)
- 同「新規受験概要」(試験要項・受験資格・必要書類・出題分野・合格基準・試験地)
- 同「再受験概要」(再受験の対象者・事務手数料)
- 同「結果発表・合格後の手続き」(実施状況・資格者証交付申請の3か月ルール)
- 同「運行管理者とは」(資格者証を得る2つの方法)
- e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」(第18条 運行管理者等の選任)
- e-Gov法令検索「旅客自動車運送事業運輸規則」(第47条の9 運行管理者等の選任)
- 国土交通省「運行管理者等指導講習」(基礎講習の認定機関一覧)