運行管理者試験の合格率と合格基準――18問取っても落ちる「足切り」の読み方

この試験には合格条件が2つあります。よく知られている「30問中18問」は片方だけで、もう1つの分野別の条件を落として不合格になる人がいます。公式の基準を「どの分野で何問取ればいいか」に翻訳しました。

最終更新: 2026年8月7日/出典: 公益財団法人 運行管理者試験センター

このページは政府・公的機関の公式サイトではありません。個人開発の学習アプリ「運行管理者ウカール」が、公表されている情報を整理して掲載しているものです。合格基準の最終的な確認は、必ず運行管理者試験センターの公式サイトでお願いします。

0このページの内容

1直近の合格率――貨物38.9%・旅客38.3%

運行管理者試験センターが公表している直近の実施状況(令和7年度第2回・47都道府県で実施)は次のとおりです。

試験の種類受験者数合格者数合格率
貨物21,577人8,397人38.9%
旅客6,679人2,556人38.3%
合計(当サイトで合算)28,256人10,953人38.8%

出典: 運行管理者試験センターが配信する実施状況データ(結果発表ページに掲載)。合計行のみ当サイトで合算し、公表されている合格率と整合することを確認しています(8,397÷21,577=38.9%、2,556÷6,679=38.3%)。

読み取れることは2つあります。
貨物と旅客で難易度に大きな差はありません(0.6ポイント差)。「旅客のほうが受かりやすい」といったことはデータ上ありません。
受験者数は貨物が旅客の約3.2倍です。教材や情報の量に差があるのはこのためで、旅客を受ける方は情報が少ない前提で準備したほうが安全です。

約6割が不合格になる試験です。ただし、その内訳を見ると「全然できなかった」人ばかりではありません。次の章がその理由です。

2合格条件は2つある

公式の合格基準(貨物・旅客同一)は、次の①②の両方を満たすことです。

① 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。
② 上記(1)〜(4)の出題分野ごとに正解が1問以上であり、(5)については正解が2問以上であること。

①だけが有名ですが、②は「合計点がいくら高くても、ある分野を落とすと不合格」という条件です。一般にこれを足切りと呼びます。

出典: 運行管理者試験センター「出題分野及び合格基準」(新規受験の概要再受験の概要

3分野別の出題数と最低正解数(貨物/旅客)

公式の基準を「何問取ればいいか」「何問まで落とせるか」に翻訳したのが次の表です。出題数の配分は貨物・旅客で同じで、違うのは(1)の分野名だけです。

分野貨物試験旅客試験出題数最低正解数落とせる上限
(1)貨物自動車運送事業法関係道路運送法関係8問1問7問
(2)道路運送車両法関係4問1問3問
(3)道路交通法関係5問1問4問
(4)労働基準法関係6問1問5問
(5)その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力7問2問5問
合計30問6問
(5)だけが「2問以上」で、他の分野の倍の水準を求められています。公式が明示的に重く扱っている唯一の分野です。しかも出題数も7問と多く、足切りが厳しい分野が同時に出題数も多いという構成になっています。

418問取っても落ちる具体例

「30問中18問」を満たしていても不合格になる組み合わせは、実際に作れます。

例1:合計18問。でも(5)が0問

分野(1)(2)(3)(4)(5)合計
正解数8/84/45/51/60/718/30

①の18問はぴったり満たしています。法令分野は3つとも満点です。それでも(5)が0問なので「2問以上」を満たさず、不合格です。

例2:合計18問。でも(5)が1問

分野(1)(2)(3)(4)(5)合計
正解数6/83/44/54/61/718/30

バランスよく取れているように見えますが、あと1問(5)で正解していれば合格だったケースです。「(5)は実務の問題だから後回し」という勉強のしかたが、いちばんこの形になりやすいと考えられます。

ここがこの試験の核心です。合計点を積み上げる勉強だけでは足りません。(5)で最低2問を確実に取れる状態にしてから、合計点を伸ばすのが、条件の構造に合った順序です。

5足切りだけ満たしても落ちます

逆方向の誤解も起こります。②の最低正解数を全分野で満たすと、合計は1+1+1+1+2=6問にしかなりません。これは合格ラインの18問に遠く届きません。

つまり②は「これ以下だと問答無用で不合格」という下限であって、②を満たすことは合格に近づいたという意味ではありません。実際には、①の18問を満たす過程で②も自然に満たしている受験者が大半で、②が効いてくるのは「特定の分野だけ極端に苦手」な人です。

30問中12問まで落とせる計算ですが、その12問の落とし方には制限があります。たとえば(5)を7問中6問落とすことはできません(残り1問では②を満たさないため)。「捨て分野」を作れない試験だと考えてください。

6どの分野から手を付けるか

条件の構造と出題数から、優先順位は次のようになります。

  1. (5) 実務上の知識及び能力(7問)――唯一「2問以上」の足切りがあり、かつ出題数も多い。ここを落とすと他が満点でも不合格になります。最優先。
  2. (1) 貨物自動車運送事業法/道路運送法(8問)――出題数が最多。得点源にしやすい分野です。
  3. (4) 労働基準法(6問)――改善基準告示の数値問題が中心で、覚えれば取れる性質があります。
  4. (3) 道路交通法(5問)/(2) 道路運送車両法(4問)――出題数は少なめ。ただし各1問の足切りがあるため、ゼロにはできません。
(1)の8問と(5)の7問で、合計15問=全体のちょうど半分です。この2分野の仕上がりが、そのまま合否に直結します。

7法改正があった年の出題ルール

あまり知られていませんが、公式は出題分野の説明にこう注記しています。

「法令等の改正があった場合は、原則として改正された法令等の施行後6ヵ月間は、改正前と改正後で解答が異なることとなる問題は出題しません

つまり施行から6ヵ月の間は、新旧どちらで覚えていても答えが割れるような問題自体が出されません。改正直後に「古い教材で勉強していて大丈夫か」と不安になりがちですが、少なくともその論点が合否を分けることはない、というのが公式の建て付けです。

ただし裏を返すと、施行から6ヵ月を過ぎれば改正後の内容で出題され得ます。改正から半年以上経っている論点は、必ず新しい内容で覚え直してください。

出典: 運行管理者試験センター「出題分野及び合格基準」の注記(新規受験の概要

足切りまで判定する模擬試験

「運行管理者ウカール」の模擬試験は本番と同じ30問・同じ分野配分で出題し、合計点だけでなく分野別の足切りまで判定します。「18問取れたのに不合格」という本番と同じ体験を、事前に安全な場所で済ませておけます。

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